2022.08 ルリビタキ,ソウシチョウ (Red-flanked bluetail, Red-billed Leiothrix)@山梨県

ルリビタキ(Red-flanked bluetail)August, 2022
山梨県で野鳥を観察しました.

続きを読む/Read more

今回は山登りがメイン.山梨県,標高1600~2000m級の亜高山に登ります.
駐車場に着いたのは8時すぎ.しかしすぐに満車となります.もう少し遅れていたら困ったことになっていました.

8月も下旬となれば,鳥の子育てはほぼ終わりです.夏鳥に至っては渡りの支度真っただ中.既に平地に降りているやもしれません.鳥は正直期待できませんが,それでも,重いカメラは背負って登ることにします.

 

しかし予想通り鳥は少なく,それゆえ行程は順調に進みます.ルリビタキはそこそこ鳴いてはいますが,どれも遠い.
ほどなくして開けた場所に.


稜線に差し掛かると,針葉樹林帯も終わりが見えてきます.

ここでジャノメチョウやアキアカネに遊んでもらいながら休憩します.

アキアカネ (Autumn darter)

よく見知った赤トンボの代表種がなかなかの密度で舞っています.
平地のトンボがなんで亜高山に?と思うけど,夏場は山地に移って暑さを凌いでいるみたい.なんか新鮮.ところ変われば,といったところ.

 

ガレ場から山頂方面(山頂は右ではなく,左奥)を望むとこんな絶景が.写真じゃわからないけど,避難小屋にかけて大きく落ち込んでいます.
点在するモミのてっぺんにウソ♂が.逃げられてしまったので写真ナシ.

ガレ場を越えるとハイマツの姿があります.


稜線歩きを楽しんだ後は,カラマツが自生する登山道を下っていきます.しかしなかなかの急坂.足元で石ころが滑りまくりで結構気を遣う.

そうやって下ばっかり見て歩いていると.
これから降りんとする眼下の岩場.小鳥っぽい何かが横切ります.カメラを取り出しつつじわじわと追跡...

 

そこには今年生まれのルリビタキが佇んでいました.暗いのでSSを落として撮ります.

が!カシャンカシャンとシャッター音が.サイレントモードへの設定を忘れておりました.メカショックによりブレブレ.

あちゃー (._.) といったところ.逃がしたチャンスは戻っては来ません.設定直したところで鳥は奥へ奥へと....

せっかく重いレンズ背負って あるまじきミスですが,まぁ出会えただけ十分です.
(普段の山登りはこれすらも難しいことがままあります).

 

下りは両サイド斜面の登山道が続きます.
こういう見下ろす斜面は動物がいる可能性が高い.獣道やフン,食痕などのフィールドサインを探しながら注意して歩くと...

シカの群れです.7頭くらいいたかな.最後驚かしちゃってゴメンネ.

 

ルリビタキ (Red-flanked bluetail)

登山口まで下りてきて休憩後,近くの散策路に入ります.こちらは沢あり藪あり林ありで,まだ小鳥が多いほう.


林道でカラ類とソウシチョウのバトルを眺めていたら,一羽違うのが出てきました.ルリビタキくんのお目見えです.鬱蒼とした林より,案外開けた場所に出てくるもの.

他の鳥のバトルに気を取られている様子.体勢を低くとってジリジリと寄っていき(それでも10mは離れている),じっくりと観察します.

少し褐色みが残っているところから2,3歳くらいか.
お腹の羽根に乱れがあります.子育てがひと段落して,これから羽根を換えていく,あるいはその最中でしょうか.

ルリビタキの青色がキレイになるまでには4年かかるとも.小鳥の場合,そこからそう長くは生きられない(6,7歳がいいとこでしょうか)ので,青いルリビタキを見るとどうしても応援してしまいます.

ルリビタキ,夏場は亜高山で繁殖するので見るのは大変ですが,冬季は平地に降りてきます.そこそこの緑地帯であれば,居着いて越冬しているやもしれません.

ところでこの鳥,S社の天然水のラベルデザインにもなっています.水ペットボトルを見かけたら探してみてください.(実際には水源によって鳥のデザインが違っていて,北アルプスオオルリ南アルプスルリビタキ.あとカワセミとかもあったような.いずれも青い鳥です)

ソウシチョウ (Red-billed Leiothrix)

相思鳥と書く,名前も姿も,さらには鳴き声も素敵な鳥.が,思いっきり外来種
江戸時代に愛玩用に入ってきたのが分布を拡げ,いまや侵略的外来種ワースト100にも選ばれることに...
籠に入っている鳥がこうやって逸走することを鳥用語で「篭脱け」とかいいます.

冬季以外は山にいくと,ウグイスの代わりにコイツが出てくることも多い.ウグイスなど生息環境の被る鳥が追いやられている可能性が指摘されています.

このソウシチョウの群れをたびたび目撃しました.
囀りはなかったけど,群れで激しく鳴きあっている場面にも遭遇. ↓
これは喧嘩をしているのか,外敵が来ているのか,何をしているのか最後までわかりませんでした.まだまだ勉強が足りん.

youtu.be


以下YAMAPレコードから.
活動時間:7時間36分
距離  :12.6km
累積標高:上り790m・下り789m

この日観察した野鳥
ウソ,ルリビタキ,カケス,ミソサザイアカゲラゴジュウカラ,ヒガラ,ソウシチョウ,コガラ,ヤマガラサンショウクイノスリ,ツバメ,ウグイス

 

鳥さんの鳴き声はコチラ ↓
さえずりナビ「ソウシチョウ」