2023.04 コサメビタキ (Asian Brown Flycatcher)

コサメビタキ(Asian Brown Flycatcher)April, 2023
いつもの公園で野鳥を観察しました.

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コサメビタキ(Asian Brown Flycatcher, Muscicapa dauurica

オオルリクロツグミの次は,ムシクイ(センダイムシクイ・エゾムシクイ),サンショウクイキビタキと馴染の面々が続々公園に入ってきた.
が,渡りが終わって振り返ってみると,ご紹介に値する写真が一枚もない.いつでも観られるからとスルーした結果,この始末である.ま,来年も観られるから特に問題はない.

で,続いて到着したのがコサメビタキ.同じく春の渡り鳥だ.そこそこの数が小鳥の群れに混じって入ってくる.

前日から天気が荒れに荒れ,強風の残る中の探鳥.風が強い日は鳥が観られない気もするが,意外に下層で風をやり過ごしていることがある.
このコサメビタキは目論見通り,目の前で遊んでくれた.

バックの白いのはミズキの白い花.人間が食っても無味だけど,鳥には大人気の木だ.鳥の好みというのはよくわからない.
秋の渡りで再びこの公園を訪れる頃には,このミズキもたくさんの実りでお出迎え...を期待するのだが,だいたいヒヨドリメジロ・カラスに食べ尽くされてしまう.

ーーーそのあとはモミジの中を遊んだり

ポーズをとってみたり.

ふわふわのお腹とぱちくりお目目がかわいい.

こんな日は,目の前にも止まってくれちゃったりする.

背景が違うと色も違って見える.
コサメビタキは「小」さい「サメビタキ」.サメビタキは「鮫」皮色のヒタキ.足して合わせて「小鮫鶲」と書く.小雨は降っていたけど,名前とは一切関係ない.

またミズキの中に入った.

ミズキとうまく絡めて,というのは求めすぎか.

春の渡り,第1波はわんさか(当地比)来てくれたが4月中旬,第2波以降は先細り.1日1種,それも1羽だけというのがしばらく続いた.

 

コサメビタキの鳴き声はコチラ.

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2023.04 クロツグミ (Japanese thrush)

クロツグミ(Japanese thrush)April, 2023
いつもの公園で野鳥を観察しました.

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クロツグミ(Japanese thrush, Turdus cardis

オオルリの次は4月中旬にクロツグミ.これも例年とそう変わりない順番.
ここからは多種の渡り鳥がドカッと入って来る.

この日のクロツグミ
早朝は囀っていたらしいが,こちらが到着するころ(07:30)にはほぼ囀りの部は終わり.
諦め半分だったが,ツグミ系の地鳴きにかけて少し待ってみたらやがて降りてきた.

ちょこまか動いて餌を捕っているようだが,暗い...

これだと♂成鳥か,♂第1回夏羽か,その判断がつかない.背中が灰色タイプの成鳥♂にも見えるが写真の色味が悪すぎて...

モヤモヤしたまま午前の部が終了.

ちなみに,昨年観察できたのは明瞭な第1回夏羽だった ↓ .

同じ日の午後の部,少し離れた場所でクロツグミが見つかったというので乗っかって捜索.

 

姿を現したところをゲット.この鳥,せわしない.カメラで追うには動きが速すぎる.

しかしとりあえず写真に収めさえすれば分析ができるというものである.

これは一目瞭然.褐色の羽根が混じっているので♂第1回夏羽.腹の模様や羽根のスレ具合を見るに,どうも朝とは違う個体のよう.

これでもよく見えている方だが,なかなかスッキリとした絵面にはならない.
茂みの向こうでミミズだのを一生懸命探している.お食事に夢中になっていると,こちらまで近づいてくることもある. 

オオルリにつづいてクロツグミが入った地元の公園.春の渡り2023,出だしは上々だ.

 

クロツグミの鳴き声はコチラ.

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2023.04 オオルリ (Blue-and-white Flycatcher) ほか

オオルリ(Blue-and-white Flycatcher)April, 2023
いつもの公園で野鳥を観察しました.

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今回は文体で書きますm(__)m

ーーー今年もこの時期がきた.大陸や東南アジアで冬越しした夏鳥が帰って来る.「春の渡り」というやつである.このイベントにズブズブと浸かって久しいが,何年経ってもシーズン入りのソワソワは収まる気配がない.

 というわけで,今年もフライング気味に3月下旬から鳥探しをはじめ,5月まで地元で渡り観測をした.雨の日も出て,惰性で2週間以上毎日通ったこともあった.もちろん最後は息切れである.努力に見合った"鳥果"は得られなかったが,漂鳥を思いの外多く観るなど,「都市公園にしては」まずまずの成果ではあった.

 なにより年々,見つけられる鳥が増えている気がするし,見知った鳥であっても意外な行動を観る機会が増えてきて,なお楽しい.自己満足だとは重々承知しているが.

 執筆時点でもう6月.一通りの鳥は公園を通過し最終目的地に入ったと思われるので,ここで総括に入っていこうと思う.

イワツバメ(House martin, Delichon urbica dasypus

3月に確認した夏鳥は,コチドリイワツバメ,ツバメ.今年はツバメより先に7羽のイワツバメをゲット. ただし写真の出来は求めてはならない.

 

オオルリ(Blue-and-white Flycatcher, Cyanoptila cyanomelana

つづいて4着はオオルリキビタキクロツグミといった”主役級”の中では早く渡って来る傾向にあり,今年も一番乗りで4月10日前後に確認した.
確認したといっても,樹上で囀ったりちょこまかしたりするのを見て終わることが多い.声はすれども姿は見えず.見えてもどうせシルエット.そんなわけで地元での合格ラインは囀りを聴くこと.写真など求めてはいけない.と思っていたのだが,今年は囀りをする個体が総じて少なかった.

せっかく朝から気合入れてきたのに耳はガックリ_| ̄|○,しかしその分は目で取り返すことができた(/・ω・)/

今年は幸先がよかった.採餌で下層に降りていたところを撮らせてもらったが,一発目にコレである.公園で観るには上出来の部類に入る.

「大瑠璃」と書くだけあって瑠璃色が眩しい野鳥であるものの,何より光を選ぶ.選び損ねるとシロ飛びするか黒潰れしてしまう.

少しでも影が入るとご覧の通り.補正しているけども肉眼ではただのシルエットでした.

 

つづいて4月20日前後の個体.朝7時.

他に観察者がいなかったので盛んに飛び回っていたが...

補正してもコレが限界.難しい~と思っていたら...

 

いきなり青くなった.2分ほど,この場所で小休止してくれた.

しかし枝がかかって惜しい.枝にしろ葉っぱにしろ必ず1本被る.
どうしようもないので,せっかくだからと肉眼でしっかり拝んでおく.

 

移動して別アングルからも.横顔も拝みたかったが,贅沢を言ってはいけない

この日は♂が2羽入っていた.オオルリ編はまだまだ続く.

 

オオルリの鳴き声はコチラ.

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2023.04 ビンズイ,ヒレンジャク (Olive-backed Pipit, Japanese Waxwing)

ビンズイ(Olive-backed Pipit)April, 2023
4月中旬.いつもの公園で野鳥を観察しました.

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ビンズイ(Olive-backed Pipit, Anthus hodgsoni

公園の低木や藪が年々掃われてしまっており,この公園の生き物事情はかつてない危機的状況です.鳥事情も寂しい日がつづく中,この日,残された藪にビンズイが潜んでいました.個人的にはこの公園で初めての観察.

ビンズイは「漂鳥」.夏は山で繁殖し,冬は山を降りて低地で越冬します.
今回は越冬地から繁殖地に向かっている途中の立ち寄りでしょう.

昔は普通に越冬していたらしいのですが.今となっては貴重な飛来です.

こちらが大人しくしていると,やがて草地に出てきて採餌をはじめます.

シルエットはツグミによく似ているのですが,あちらはスズメ目ヒタキ科(最近ツグミ科から分類変わりました.分子生物学の発展は凄まじい...).
一方こちらはスズメ目セキレイ科.よく見るハクセキレイの方が近縁です.確かに尾羽をピョコピョコする様はどことなくセキレイを想起させます.

草むら散歩のお目当てはコレ.草についた虫を啄んでいたのでした!

翌日も期待して探したものの姿はなく.滞在はこの日限りだったようです.

 

4月は南からの渡り鳥がたくさん入って来る時期ですが,裏番組で漂鳥も目白押しです.今年の4月は幸運にも多くの(当地比)種類を観察できました.

つづいては...

 

ヒレンジャク(Japanese Waxwing, Bombycilla japonica

冬鳥のヒレンジャクです.シベリアや中国北東部などの繁殖地から日本に越冬に来るのですが,当たりはずれ(飛来の多い年,少ない年)の顕著な鳥として知られています.今年は「アタリ」のようで各地で多くの記録があります.なんとこの公園でも!

この写真では3羽でしたが,15羽ほどの群れでした.枝に何十羽も連なって止まる光景を見せてくれることから「連雀」の名がついています.

このヒレンジャクを見たのは夕方.リーリーと鈴を鳴らしたようなレンジャク独特の鳴き声を聞き,付近を捜したところ,桜に数羽のヒレンジャクがとまっていました(尾の先が赤いので緋レンジャクです).

その後飛んで,一枚目の枝にとまります.

厳ついお顔にスベスベのボディ.連雀は唯一無二のオシャレ路線を突き進む鳥.人々を惹きつけてやみません.

わずか30秒ほどですぐ飛んで行ってしまいました.せっかちな群れです.後日も何度か見かけましたが,いずれも一瞬見ては飛んでいき.留まることを知らない鳥ですね.

 

ビンズイヒレンジャクの鳴き声はコチラ.

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2023.04 クロジ (Grey bunting)

クロジ(Grey bunting)April, 2023
いつもの公園で野鳥を観察しました.

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クロジ(Grey bunting, Emberiza variabilis Temminck

4月中旬のこと.夏鳥が続々と渡ってきている中,公園の一角,藪の中からチッチッという小鳥の地鳴きが.

この公園ではアオジという小鳥が多く越冬し普通に見られますが,そのアオジよりやや軽い地鳴き.クロジかなと直感.もちろん,どちらの地鳴きも文字に起こすと「チッチッ」です(^^;) 聞き比べれば比べるほど分からなくなるもの.

なかなか姿を捉えられないので距離を取って待つことにします...
そしてとりあえず,アオジはこんな鳥というのを過去写真から.見たことある人もいるのでは?スズメとほぼ同じか少し大きいくらいのサイズ.
クロジはざっくり言ってしまうとこれをグレーに塗り替えたもの.

 

さて,怪しい小鳥の方は,待つこと数分.いきなり枯れ枝に飛んできました.

紛れもないクロジ.ずいぶんと簡単に姿を見せてくれたものです.

この鳥は漂鳥.越冬地から山に戻る途中,この公園に立ち寄ってくれたよう.
あたりを窺いつつ,そのまま枝を登り,

先端まで来てくれました.

距離10mくらい.地元の公園でこれほどまじまじと観察できたのは初めてで,嬉しくなります.

が!ここで通行人の方がご登場.傍を通ったので飛んで行ってしまいました~.
こればかりは仕方ない.

また山で会おう!

 

 

クロジの鳴き声はコチラ.

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