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ビンズイ(Olive-backed Pipit, Anthus hodgsoni)
公園の低木や藪が年々掃われてしまっており,この公園の生き物事情はかつてない危機的状況です.鳥事情も寂しい日がつづく中,この日,残された藪にビンズイが潜んでいました.個人的にはこの公園で初めての観察.
ビンズイは「漂鳥」.夏は山で繁殖し,冬は山を降りて低地で越冬します.
今回は越冬地から繁殖地に向かっている途中の立ち寄りでしょう.
昔は普通に越冬していたらしいのですが.今となっては貴重な飛来です.
こちらが大人しくしていると,やがて草地に出てきて採餌をはじめます.
シルエットはツグミによく似ているのですが,あちらはスズメ目ヒタキ科(最近ツグミ科から分類変わりました.分子生物学の発展は凄まじい...).
一方こちらはスズメ目セキレイ科.よく見るハクセキレイの方が近縁です.確かに尾羽をピョコピョコする様はどことなくセキレイを想起させます.
草むら散歩のお目当てはコレ.草についた虫を啄んでいたのでした!
翌日も期待して探したものの姿はなく.滞在はこの日限りだったようです.
4月は南からの渡り鳥がたくさん入って来る時期ですが,裏番組で漂鳥も目白押しです.今年の4月は幸運にも多くの(当地比)種類を観察できました.
つづいては...
ヒレンジャク(Japanese Waxwing, Bombycilla japonica)
冬鳥のヒレンジャクです.シベリアや中国北東部などの繁殖地から日本に越冬に来るのですが,当たりはずれ(飛来の多い年,少ない年)の顕著な鳥として知られています.今年は「アタリ」のようで各地で多くの記録があります.なんとこの公園でも!
この写真では3羽でしたが,15羽ほどの群れでした.枝に何十羽も連なって止まる光景を見せてくれることから「連雀」の名がついています.
このヒレンジャクを見たのは夕方.リーリーと鈴を鳴らしたようなレンジャク独特の鳴き声を聞き,付近を捜したところ,桜に数羽のヒレンジャクがとまっていました(尾の先が赤いので緋レンジャクです).
その後飛んで,一枚目の枝にとまります.
厳ついお顔にスベスベのボディ.連雀は唯一無二のオシャレ路線を突き進む鳥.人々を惹きつけてやみません.