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カシラダカ(Rustic bunting, Emberiza rustica)
12月の早朝.底冷えする寒さにブルブルしながら鳥を探します.
この日の一発目はカシラダカ.(見つけたのは鳥友さん! Terima kasih banyak!)
この鳥は日本では冬鳥.北欧からアリューシャンに至る高緯度地域で繁殖し,冬になると日本に移動し越冬します.
農耕地では普通に見られる鳥ですが,フツーの公園である当フィールドでは滅多に見かけません.
他で見る際は数羽~十数羽の群れで見ることが多いのですが,今回は1羽のみのご登場.
カシラダカ,地鳴きはアオジに似ていますが,より優しい印象を受けるのが本種の特徴だと思います.3月になると複雑な鳴き声が混じるようになり,ホントに渡る直前には囀るようにもなります.
リュウキュウサンショウクイ(Ryukyu minivet, Pericrocotus divaricatus tegimae)
続けてリュウキュウサンショウクイ.
ピリリという鳴き声にかけて,山椒喰の名がついた鳥です.
本種の和名が付くより先に「山椒は小粒で...」という故事があったんですね.
さて,この鳥,今冬は少なくとも2羽が定着しています.もはや鳴き声を聞かない日はないくらい.めでたく常連の仲間入りとなりました.
亜種サンショウクイは夏鳥.春になると東南アジアから渡ってきます.
亜種リュウキュウサンショウクイは琉球の名を冠するように,もとは南方の留鳥です.
しかし90年代に九州~四国で観察され始め,
ここ10年で一気に東日本まで勢力を拡大.
冬場各地に現れるようになり,さして珍しい鳥ではなくなりました.
理由は温暖化とか言われていますが,詳しくはわかっていません.
リュウキュウサンショウクイ,冬はエナガ混群について回ることが多い,というのがバーダーの共通認識になりつつあります.が,この日は単独.それもあってかヒヨドリに執拗に追い回されていました.
逃げ込んだら追い出されて,を繰り返しているうちに目の前に止まります.
か,かわいい...
たかだか全長20㎝の小鳥と,かたや30㎝弱のヒヨドリでは体躯が全く違います.バトルの最中は防戦一方.正直人間になんか構っていられないので,こうして目の前に来ることもあります.
逆に人間を盾にしてヒヨドリから逃れている可能性もありますが...?
下尾筒~尾羽の配色が見事.
リュウキュウサンショウクイは胸元にしっかり灰色が回り込むのが特徴のひとつ.
これは翌日遭遇した際の写真.必ず枝1本かかる現象.なんとかならんか.
観察場所は直線で500mくらい離れた場所.同じ個体ですが,結構行動範囲が広いようです.たぶん,ついて回る小鳥の群れによるのでしょう.
ロクな写真がねェ...
しかしリュウキュウサンショウクイは
①額の白いエリアが狭い
②青みが濃い
③胸元が灰色
という点が違いとしてわかると思います.
鳴き声が異なるという興味深い報告もあり,これについてはまた改めて書きたいと思います.
...
サンショウクイの鳴き声はコチラ.