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いつもの公園で野鳥を観察しました.しましたというか時節遅れもいいところで,昨年4月の写真からの投稿です.
クロツグミ(Japanese Thrush)
4月下旬のある日,公園に行くと鳥友さんよりクロツグミの速報を頂戴します.(5時台のこと...!ありがとうございました).
太字なんてだいぶ希望が入ってますが,ひと口にツグミと言っても時期により見られる種類はてんでバラバラ.このクロツグミ,列挙した中では最小の全長21㎝(ムクドリやツグミよりひと回り小さい)ですが,日本で繁殖するため東南アジアや大陸から渡ってきました.
探すと確かにいたのですがこの個体.恐ろしく警戒心が高く,相当手強い.野鳥というのは本来そうあって然るべきでむしろ大歓迎ですが,気配を感じただけで即飛び去ってしまいます.
見失っているとのことだったので,ツィーというヤツの地鳴き(囀り以外の声のこと)を慎重に追い,気づけば運動広場を一周.しかしここから大苦戦.
採餌が始まると,藪から一瞬出てはすぐ消え,出たら樹上に消え,を繰り返します.仕方ないので,雰囲気のある場所でしゃがんで待ち続けます.
なんとか樹上から一瞬降りてきた瞬間をゲット.
胸に茶褐色が残っており,全体の羽色もまだ光沢のある黒ではない,この子は若いオスのようです.ツツジの下まで跳ねていって,すぐに姿を消します.
樹上の茂みに入ったのち暫くして,腹ごなしの囀りが始まります.
クロツグミは遠くまで届きそうな複雑なピッチで囀ります.森のフルート奏者というイメージがピッタリ.
あれだけ数いるツグミは,この地ではまず囀りません.だからツグミ(口を"つぐむ")なのだとか.
ついでに書くと朝,鳥の囀りが活発なのは,飯前でこれだけ歌えるほど俺は健康なんだぞ,餌捕れるんだぞってアピールしている説があるようです.
囀りが終わりしばらく経って,今日はこれでおしまいかな,と撤収の支度を始めると樹上で気配.残っていた鳥友さんとともに各自ポジションを見定め,再びスタンバイします.
はい,出てきました.朝と違って随分あっさりです.
振動とシルエット変化に反応することが分かっていたので,むやみに動かない・喋らないを徹底します.その甲斐あって,このあとサービスの連続です.
サービス! ツツジから出てきて辺りを窺う.
瞬膜展開!
サービス! 切り株の上に乗ります.
ゴチャゴチャしているのはきっと,子どもたちのおままごとの名残でしょう.
タンパク質が食卓を彩ります...?
光の加減で結構褐色が目立つ.
サービス! 下に降りてきてポージング.
こんなのとか.
こんなのとか.
これでも7,8mの距離が少なくともあったと思います.我々が少しでも動いていたら,きっとこんなシーンはなかったでしょう.
再び藪の中へ消えていきました.登場はこの日限りで,すぐ繁殖地へ向け移動したようです.
クロツグミの鳴き声はコチラ.