2023.04 マミチャジナイ (Eyebrowed thrush)

マミチャジナイ(Eyebrowed thrush)April, 2023
いつもの公園で野鳥を観察しました.

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時期とこれまでの執筆順が前後するが(そもそもペースが遅すぎるのがなんとかならんか).4月中旬,南から続々と渡り鳥の第1陣が入ってきた頃合いのこと.
当地でオオルリクロツグミ旋風が沸き起こっていた裏で,マミチャジナイがひっそりとやってきていた.

マミチャジナイ(Eyebrowed thrush, Turdus obscurus

マミチャジナイはツグミの仲間.ややこしい名前だけど,マミ(眉がある)+チャ(茶色の)+シナイ(鶫ツグミ)ってことらしい.

マミチャジナイは日本では冬鳥でもなければ夏鳥でもない.旅鳥という,日本を中継して繁殖地(北方)と越冬地を行き来する鳥とされている.
したがってその渡り途中で日本に立ち寄る(ごく一部は日本でも越冬する)が,春はルートが違うらしく,当地では専ら秋の渡りで目撃される(といいつつ年1か2程度)鳥だ.であるからして,春に見られたというのは比較的珍しいケースだと思う.

 

状況を書くと長くなるから,まず写真1枚.これが滞在【1日目AM】.

この植栽の外で採餌中のツグミを見つけたのが最初.
肉眼で白い眉が見えたもんだから,いそいそと双眼鏡とカメラを取り出す.取り出しているうちにピョンピョン跳ねて何処かへ消えてしまった.

少し悔しいので待ってみることにし,その間にクロジを見る.
さらに探すこと40分.植栽の根元にツグミ大のシルエットが.
だんだん出てきて...

紛れもないマミチャジナイでございます.渡り途中のマミチャを春に観察するのは初めて.
でも全身がスッキリ,とはなかなかいかない.最初が一番良かったというのは,往々にしてよくあること.この後また引っ込んで見えなくなり,とりあえず第1部が終了.8時から12時までマミチャジナイを相手にしていたことになる.

 

【1日目PM】

大気が崩れ出し,じきに雨予報となる.雨雲レーダーの赤いのがもくもく湧いてきており,みるみる暗くなってきた.それじゃあ,ということで雨中鳥見と洒落こむべく,ポイントに再出撃をする.

台風でもゲリラ豪雨でも鳥を観てきた(下記参考)ので,もはや怖いのは雷とクマだけ.悪天候ごときで引きこもっていたら勿体ない.

 

ただ想定より激しい豪雨でレーダーは赤を通り過ぎて紫.探すこちらは一瞬で上から下まで浸水する.というか雨粒が痛いこと痛いこと.

でもマミチャジナイは無事,姿を見せてくれた.降り出した頃合いで植栽から出てきたので捕捉は容易だった.これにはちゃんと理由があって,ツグミ類はミミズが大好物だから.
地中の獲物が雨で捕まえやすくなるので,その動きを期待していたのである,と,あとづけ.


とはいえ土砂降りのなかではレンズの狙いも自分の姿勢もなかなか定まらない.動画も回したが全くピンが喰わない.
なんとかお見せできる程度の写真が残ってくれただけよかった.

 

【2日目】
翌日も姿を確認.前日に雨が降ったので移動を見合わせたようだ.

 

【3日目】
滞在しているとすればもう慣れてきた頃だろうと,5:00AMすぎに様子を見に行く.

結果,普通にいた.
そしてなんと!百日紅サルスベリ)の上に乗って大サービス.

100gにも満たないこの鳥は当然,滑ることはない.
ツグミ類ってサイズが丁度よくてスラっとしていてかわいいよね.

 そのあとは下に降りて餌を探したり

人やカラスが来ると飛び上がって様子を窺ったり

また下に降りたり.

 色々なシチュエーションで楽しませてくれた.

 

【4日目】
朝姿を確認したものの,それ以降は目撃がプツリ.さらに北を目指して移動したのだろうか.

結局,連続4日間の滞在を確認した.春の渡りでこれだけ長く,とは全く想定していなかった.
また秋の渡りで会おう...!

 

マミチャジナイの鳴き声はコチラ.

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