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ミソサザイ(Eurasian wren, Troglodytes troglodytes)
4月下旬,夏鳥が続々と到着する季節.この日,山梨県の林道は標高1000mを越えた地点におりました.
着いたばかりの夏鳥は縄張り確保と求愛にまだ手いっぱい.でも留鳥・漂鳥と呼ばれる国内組には,すでに繁殖に入っているものもいます.この山の沢沿いではミソサザイが巣作り中でした.
巣材のベースになる苔を咥えています.ミソサザイは一夫多妻制.オスは自分の縄張りに,ダミーを含めて巣を何個も構えます.なので巣材の量も縄張りの広さも大変!
物凄いスピードで行き交っています.一瞬だけ姿を見せまた消える,の繰り返し.どうも道路に沿ってできた段差を利用して移動しているみたい.
排水溝が道路を横切っています.川に合流するU字溝の部分,ここだけ向こうが抜けて見えるので少し待ってみます.
ほどなくして.しゃがんでいる自分の下からなんか声が.車道を潜る排水溝.目を凝らすと,このグレーチング越しにミソがチャッチャと鳴きながら移動している?
まさか,川沿いに移動すると思ったら,車道を,しかも潜って突っ切ってきました.
そのままU字溝にかかる朽木に止まってくれました.
尾羽ピョコンです.ミソサザイはスズメよりも小さくて,日本最小クラスの鳥なのです.
巣に戻ろっかな~.もう少し集めよっかな~.そんな感じで長いこと(30秒くらい?)ピョコピョコしてくれて.
このあたりで後ろが騒がしくなってきます.通りがかりのカメラマンさん集団に見つかりました.そりゃバレます.どんな格好で見ていたのかは遡ってご確認しなくていいです.
きっと,五月蠅いなぁ~とか言ってます.
あーぁ.ゴメンねと心の中でミソさんに謝ったのでした.
キバシリ(Treecreeper, Certhia familiaris Japonica)
この山ではヒガラ,コガラ,ヤマガラ,ゴジュウカラ,シジュウカラといった「カラ類」が群れをなしています.今回そこに混じっていたのがキバシリ(木走)です.
キバシリは樹皮に対して真っすぐ止まる鳥.両足と尾っぽの三点姿勢で移動します.
キバシリをキレイに撮れる(今回は全滅でしたケド...)のは,こうやって横向きになった時.でも動きが滅茶苦茶はやい.それにすぐ裏に隠れてしまうので撮影が難しいと感じました.
そして,恐らくなんですがキバシリ,らせん状に巻きながら木を登っているような気がします.
思い起こせばキツツキでもそのようなシーンがあります.巻きながら登ることで,同じ幹でも採餌する距離を伸ばしているのでしょう.
木に掴まるのは得意でも,下向きに降りていくのはニガテ.木の下からグングンと登って,上がり切ったらまた,違う幹に飛んで下から攻めていく.これを繰り返すようです.
ヤマガラ(Varied tit, Parus varius varius)
ニーニーと鳴くオレンジ色の小鳥です.山ではよく見かける鳥です.
コガラ(Willow tit, Poecile montanus restrictus)
シジュウカラに似ているけど,こちらはディーディーと鳴きます.ベレー帽とチョビヒゲが特徴.
アブ系の小昆虫をゲットしました.
ホオジロ(Meadow bunting, Emberiza cioides ciopsis Bonaparte)
ピ チョチョン ピーチョチョチチみたいな独特の鳴き声.写真の子はお顔の熊取が薄いのでメスと思われます.ホオジロの仲間は,その属名をはしょって「エンベリ」なんて呼ばれたりします.
キビタキ(Narcissus flycatcher, Ficedula narcissina)
なかなか小鳥が充実していて楽しめる山でした.
この日見た鳥
ミソサザイ,キバシリ,ヤマガラ,シジュウカラ,ヒガラ,エナガ,コガラ,ゴジュウカラ,カケス,ソウシチョウ,アカゲラ,キビタキ,ホオジロ,トビ,ツバメ
鳴き声はコチラ